<<母語とアイデンティティとは>>
■外国につながる子どもたちの母語とアイデンティティ
「アイデンティティ」とはなんでしょう。一般的には「自我同一性」と訳されますがもう少し噛み砕くと、「自分らしさ」「自分とは何者か」などと表現できます。「(私は)女」「(私は)学生」「(私は)漫画が好き」「(私は)我慢強い」といった様々なレベルでの自分らしさ(アイデンティティ)を私たちは束にして持っています。その中には「日本人であること、ベトナム人であること」といった母国につながるアイデンティティもあります。またそうした母国につながるアイデンティティの核には「母語ができること」といった言語に結びつくアイデンティティも存在しています。
外国につながる子どもたちは「日本で生きる自分」と「祖国にルーツを持つ自分」、「日本語が喋れる自分」、「母国語も知っている自分」と複数の自分を持ち、時と場合、相手に応じてアイデンティティを選択的に使い分けます。
しかし日本の子どもが多数いる学校では、学年が進むにつれて他の子どもたちとは違う「外国につながる自分」を表に出すのが難しくなっていく事例がみられます。
外国につながる子どもたちは「日本で生きる自分」と「祖国にルーツを持つ自分」、「日本語が喋れる自分」、「母国語も知っている自分」と複数の自分を持ち、時と場合、相手に応じてアイデンティティを選択的に使い分けます。
しかし日本の子どもが多数いる学校では、学年が進むにつれて他の子どもたちとは違う「外国につながる自分」を表に出すのが難しくなっていく事例がみられます。
■アイデンティティテキスト
では、教室の中で、他の子どもとは異なる個性、外国につながる私をマイナスととらえず、大切に育みつつ母語を育てるにはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは、移民大国カナダを中心に取り組まれている、母語を活用することで「カナダと母国の両方につながる自分」を肯定的にとらえることができるアイデンティティテキストを紹介します。
アイデンティティテキストとは、母語と現地語(トロントでの場合は英語、日本の場合なら日本語)の両方の言語を使って外国人児童が(子ども達の共同作業によって、時には親の協力も得て)書いた自由(創作)作文の総称です。形式は文章でも、口頭発表でも、映像でも、ドラマでもかまいません。子どもが作品や美術作品の創作に自らのアイデンティティを投資して取り組むことから、アイデンティティテキストと呼ばれています。
事例 カナダ Thornwood Public Schoolでの取り組み The dual language show case
https://thornwood.peelschools.org/dual-language-showcase-site
インターネット上に子どもたちの母語と現地語で作品を公開することにより自分自身、保護者はもちろん、クラスメートや教師も、「外国につながるという個性」を当事者の子どもの立場から理解し、誇らしく思うことができます。デジタル絵本などさまざまなインターネット上の技術を利用することで母国の親戚はもとより地球上の人々を聴衆に巻き込むことができるのです。
皆が関心を持つことで、子どもの自尊感情、すなわち「母国につながる自分」というアイデンティティを肯定的にとらえ、大切に育むことができるのではないでしょうか。
ここでは、移民大国カナダを中心に取り組まれている、母語を活用することで「カナダと母国の両方につながる自分」を肯定的にとらえることができるアイデンティティテキストを紹介します。
アイデンティティテキストとは、母語と現地語(トロントでの場合は英語、日本の場合なら日本語)の両方の言語を使って外国人児童が(子ども達の共同作業によって、時には親の協力も得て)書いた自由(創作)作文の総称です。形式は文章でも、口頭発表でも、映像でも、ドラマでもかまいません。子どもが作品や美術作品の創作に自らのアイデンティティを投資して取り組むことから、アイデンティティテキストと呼ばれています。
事例 カナダ Thornwood Public Schoolでの取り組み The dual language show case
https://thornwood.peelschools.org/dual-language-showcase-site
インターネット上に子どもたちの母語と現地語で作品を公開することにより自分自身、保護者はもちろん、クラスメートや教師も、「外国につながるという個性」を当事者の子どもの立場から理解し、誇らしく思うことができます。デジタル絵本などさまざまなインターネット上の技術を利用することで母国の親戚はもとより地球上の人々を聴衆に巻き込むことができるのです。
皆が関心を持つことで、子どもの自尊感情、すなわち「母国につながる自分」というアイデンティティを肯定的にとらえ、大切に育むことができるのではないでしょうか。