1)バイリンガリズムは言語の発達にも教育上の発達にもプラスの影響があります。
小学校のときに2つまたはそれ以上の言語の読み書きの力をしっかりつけると、同じ現実をそれぞれの言語を通して理解する事になり、多様な視点が身に付きます。また、同時に情報処理能力や柔軟な思考力も育ちます。
2)母語の熟達度で、第二言語の伸びが予測できます。
小学校入学前に母語がしっかり身に付いていれば、日本語環境の学校に来ても学校言語をスムーズに修得する事ができます。なぜなら家庭で母語を介して得た知識やスキルは,学校で使用する言語に転移するからです。
3)学校の中での母語伸張は、母語の力だけでなく学校言語の力も伸ばします。
学校に入っても母語を育成できる環境にあると母語だけでなく、学校言語の力もついてきます。
4)学校でマイノリティー言語(少数派の言語)を使って学んでも学校言語の学力にマイナスにはなりません。
母語をしっかり身につけるということは、母語で重要な概念や知的スキルをも学ぶことになり、それが第二、第三言語を学ぶときに役立つのです。決して、母語を学ぶ事は時間の無駄ではないのです。
5)子どもの母語はもろく、就学初期に失われやすいものです。
日本語が主流の日本社会では、意識していなければ、子どもの母語は、就学後2〜3年で喪失してしまいます。あんなに会話ができていたのにと思っても遅いのです。特に読み書きの力は、意識して本を読むなどして育成していく必要があります。
6)子どもの母語を否定することは、すなわち子ども自身を否定することになります。
外国人児童/生徒は、はじめて学校に行ったときから敏感に自分のルーツや言語について考えたり感じ取ったりするものです。教師は、外国人児童・生徒の言語や文化習慣の違いを認めるだけでなく、積極的に維持育成する事を奨励したり、すべての児童・生徒が前向きに受け入れられるような学習環境を整える必要があります。そうすることによって外国人児童・生徒は、自分に自信をつけ、人格的にも豊かに育つのです。
小学校のときに2つまたはそれ以上の言語の読み書きの力をしっかりつけると、同じ現実をそれぞれの言語を通して理解する事になり、多様な視点が身に付きます。また、同時に情報処理能力や柔軟な思考力も育ちます。
2)母語の熟達度で、第二言語の伸びが予測できます。
小学校入学前に母語がしっかり身に付いていれば、日本語環境の学校に来ても学校言語をスムーズに修得する事ができます。なぜなら家庭で母語を介して得た知識やスキルは,学校で使用する言語に転移するからです。
3)学校の中での母語伸張は、母語の力だけでなく学校言語の力も伸ばします。
学校に入っても母語を育成できる環境にあると母語だけでなく、学校言語の力もついてきます。
4)学校でマイノリティー言語(少数派の言語)を使って学んでも学校言語の学力にマイナスにはなりません。
母語をしっかり身につけるということは、母語で重要な概念や知的スキルをも学ぶことになり、それが第二、第三言語を学ぶときに役立つのです。決して、母語を学ぶ事は時間の無駄ではないのです。
5)子どもの母語はもろく、就学初期に失われやすいものです。
日本語が主流の日本社会では、意識していなければ、子どもの母語は、就学後2〜3年で喪失してしまいます。あんなに会話ができていたのにと思っても遅いのです。特に読み書きの力は、意識して本を読むなどして育成していく必要があります。
6)子どもの母語を否定することは、すなわち子ども自身を否定することになります。
外国人児童/生徒は、はじめて学校に行ったときから敏感に自分のルーツや言語について考えたり感じ取ったりするものです。教師は、外国人児童・生徒の言語や文化習慣の違いを認めるだけでなく、積極的に維持育成する事を奨励したり、すべての児童・生徒が前向きに受け入れられるような学習環境を整える必要があります。そうすることによって外国人児童・生徒は、自分に自信をつけ、人格的にも豊かに育つのです。
■生活言語能力(Basic Interpersonal Communicative Skills, BICS)
日常生活で具体的な事物・事象と関連して習得する、対人関係におけるコミュニケーションの力のことです。およそ2年で習得できると言われています。
■学習言語能力(Cognitive Academic Language Proficiency, CALP)
学校で抽象的・概念的学習により習得する、教科学習に必要な認知・教科学習言語能力のことです。少なくとも習得に5〜7年はかかると言われています。
■言語能力の内部構造
人の言語能力は、日常生活でコミュニケーションをする際に使用する「生活言語能力」と、教科学習に必要な「学習言語能力」に分けられます。カミンズはこのことを生活言語能力と学習言語能力という二つの言語能力に分けて説明をしています。外国人児童が日本語を流暢に話すようになると、もうその言語が習得されたと誤解してしまいがちですが、それは日常的な生活言語能力に過ぎず、教科に必要な学習言語能力が必ずしも身に付いているわけではないということです。例えば、外国人児童にとって、「光合成」という言葉はすぐに覚えられるようになりますが、光合成という言葉が指す概念や内容を理解することは学習言語能力にあたり、理解に時間を要します。
外国人児童に関わる人達は、この2つの言語能力について知り、理解の進度が異なることを考慮に入れながら外国人児童の教育を進めていく必要があるでしょう。
外国人児童に関わる人達は、この2つの言語能力について知り、理解の進度が異なることを考慮に入れながら外国人児童の教育を進めていく必要があるでしょう。
例えば、母語で時間の概念について理解をしている外国人児童生徒は、日本語でも今何時であるかを簡単に言う事ができます。これはすでに時間の概念を母語で理解しているため、時間を表現する単語だけを日本語で学習すればよいからです。
このように、学校教育において母語で外国人児童生徒に教育を行うことは、児童の母語での学習言語能力を高めるだけでなく、日本語での学習の助けにもなるということが分かっています。
このように、学校教育において母語で外国人児童生徒に教育を行うことは、児童の母語での学習言語能力を高めるだけでなく、日本語での学習の助けにもなるということが分かっています。
異なる二つの言語でも、言語として使用する際には根底的に共通した部分があると言われています。そのため、母語と日本語は全く異なる存在ではなく、母語が発達すれば、日本語の発達も早いと言われています。以下のように、氷山のような図で説明をすることができます。
相互依存仮説では、深層面と表層面という言葉を用いて説明をしています。深層面とは、二つの言語に共通する部分として考えられていることから、共有面とも呼ばれています。この部分は、言語の思考のもとになる部分であり、主に学習言語能力のことを指します。表層面とは、言葉として表に現れる言語のことをさし、主に生活言語能力(特に会話力)のことをいいます。このように、異なる言語であったとしても根底の深層面では共有面があるということが言われています。つまり、外国人児童の母語能力は、日本語学習にも効果的に影響を与えるということです。母語が発達すれば、第二言語の学習の伸びも早いと言われる所以です。
相互依存仮説では、深層面と表層面という言葉を用いて説明をしています。深層面とは、二つの言語に共通する部分として考えられていることから、共有面とも呼ばれています。この部分は、言語の思考のもとになる部分であり、主に学習言語能力のことを指します。表層面とは、言葉として表に現れる言語のことをさし、主に生活言語能力(特に会話力)のことをいいます。このように、異なる言語であったとしても根底の深層面では共有面があるということが言われています。つまり、外国人児童の母語能力は、日本語学習にも効果的に影響を与えるということです。母語が発達すれば、第二言語の学習の伸びも早いと言われる所以です。
母語を学習するには、言語の発達段階も考慮する必要があるでしょう。学習環境にもよりますが、参考までに下記の渡日した時期の区分を参照してみてください。
(1) 0〜3歳ごろ (自国での母語が発達途上。母語を維持、伸長するには多大な努力が必要。)
(2) 4〜10歳ごろ(日本語の生活言語の習得は早いが、学習言語が十分発達するのに時間がかかる。母語の基盤が弱いので、何もしなければ喪失するのは早い。)
(3) 10歳〜16歳ごろ(日本語の生活言語の習得にやや時間がかかるが、母語力の助けを借りて抽象概念を理解することができ、それによって日本語による学習の理解も早まる。また、母語での読み書きの基礎力ができていれば、母語を維持し、伸長させることは難しくない。自己のアイデンティティへの意識が高まる時期。)
(4) 17歳ごろ以後 (日本語の習得に時間がかかるが、自国で習得した母語を維持し、伸長させることは難しくない。)
(5) 2−3世:両親か祖父母の世代が渡日した日本生まれの人 (両親や祖父母が母語を話しているのをよく聞いていれば、少し、聞く力がついており、努力して学習することで第二言語として習得しやすいことが多い。)
(1) 0〜3歳ごろ (自国での母語が発達途上。母語を維持、伸長するには多大な努力が必要。)
(2) 4〜10歳ごろ(日本語の生活言語の習得は早いが、学習言語が十分発達するのに時間がかかる。母語の基盤が弱いので、何もしなければ喪失するのは早い。)
(3) 10歳〜16歳ごろ(日本語の生活言語の習得にやや時間がかかるが、母語力の助けを借りて抽象概念を理解することができ、それによって日本語による学習の理解も早まる。また、母語での読み書きの基礎力ができていれば、母語を維持し、伸長させることは難しくない。自己のアイデンティティへの意識が高まる時期。)
(4) 17歳ごろ以後 (日本語の習得に時間がかかるが、自国で習得した母語を維持し、伸長させることは難しくない。)
(5) 2−3世:両親か祖父母の世代が渡日した日本生まれの人 (両親や祖父母が母語を話しているのをよく聞いていれば、少し、聞く力がついており、努力して学習することで第二言語として習得しやすいことが多い。)